松任谷由実おすすめの曲ランキングTOP10
物心ついた時から聴きはじめて、今では人生のほとんどを一緒にを過ごしてきたようなアーティストだと思っています。特に、感受性の強い頃は、よく自分を投影して曲の世界にひたっては泣いたり笑ったりしていたのを思い出します。常に民衆の一歩前をゆくユーミンに、とても憧れていました。
第10位.松任谷由実「瞳を閉じて」
この曲を知ったのは、NHKの『みんなのうた』でした。きれいな島と海の映像が印象的だったのでよく覚えています。長崎県のある島の高校に贈った曲で、歌碑も立てられ、ユーミンは何度も訪れているそうです。「遠いところへ行った友達に 潮騒の音がもう一度届くように」なんて泣けてしまいます。やはり、島なので卒業したら多くの人々は旅立っていくのでしょうが、いつまでもふるさとである島を思い出してもらえるような、ゆったりとした素敵な曲に仕上がっていると思いました。ユーミンはご当地ソングと言われる曲も多いですが、どれもその土地に対する敬意が感じらて大好きです。
第9位.松任谷由実「海を見ていた午後」
この曲も、聖地となっているお店「ドルフィン」も、今やよく知られる存在になっています。殊に、「ソーダ水の中を 貨物船が通る」という歌詞は、どうやっても真似できるものではないと賞賛する人の多いこと。四畳半フォーク全盛の時代に、こんな斬新な曲を書けるユーミンはやはり天才なのだと恐れ入りました。また、切ない恋の歌でもあり、「あの時目の前で 思い切り泣けたら」という部分がとてもこたえました。別れ話をされたのかわかりませんが、泣いてでも素直に本当の気持ちを伝えておけばよかったな、という主人公の後悔の念が感じられます。
第8位.松任谷由実「タワー・サイド・メモリー」
「神戸」は、北陸住まいの私にとって遠いところにある憧れの街でした。神戸ガールってどんな素敵なお姉さんなんだろう?などと色々想像していました。ところが、阪神淡路大震災で神戸の街が壊滅的に。その日、ユーミンは泣きながらラジオ番組でこの曲をかけたと聞きました。現在では、素晴らしい都市に復興していますが、そのエピソードはずっと忘れることができません。「ポートピアも終われば」という歌詞がありますが、博覧会があった時代のことなどを懐かしく思い出します。「初めてここでキスした日」なんて胸がキュンとしてしまうような思い出を歌っています。
第7位.松任谷由実「晩夏(ひとりの季節)」
あんなに暑かった夏なのに、お盆を過ぎたあたりから少しずつ日の傾きが変わってきたと感じることがあります。夏の終わり頃を歌ったこの曲ですが、さまざまな色彩の名称が登場します。ユーミンは多摩美術大学の日本画科だったこともあり、移ろう時間や季節を色彩になぞらえてくれているのだなと感じます。「藍色は群青に 薄暮は紫に」など、思わず日本人で良かったな、と感じてしまいます。また、歌詞の中に「何もかも捨てたい恋があったのに」「やがて来る寂しい季節が恋人なの」という部分がありますが、何とも言えない寂寥感が伝わってくるようです。
第6位.松任谷由実「星空の誘惑」
この曲も、「疾走感で吹き飛ばす」シリーズに属する勢いがあります。普段は仲の良い男友達なのに、なんだかこのままドライブしていたら好きになってしまいそうな予感!という展開です。「嘘でいい、好きだと言って」とまで言っているのでこれは恋に落ちていきそうな危険なワクワク感があります。「もう戻れぬ遠いところへ私のこと運んで欲しい」という、少しヤケになっているような、投げやりなところが謎ですが、「オレンジのトンネルの中は 横顔がネガのようだわ」という描写がとても秀逸で大好きです。ユーミンの歌詞は、映像がありありと浮かんでくるものが多く、感動するばかりです。
第5位.松任谷由実「よそゆき顔で」
結婚が決まったら、今まで遊んでいた男友達や、好きだった人はどうなるのだろうかと考えさせられる曲です。恋愛と結婚は違うと考えている主人公。この曲のように「よそゆき顔ですれ違ったら嫌なやつだと笑ってもいい」という切ない思いを抱きながら嫁いでいくのでしょうか。楽しかった頃の思い出に、いったん区切りをつけるのだ、という悲壮な決意が感じられます。ここでは「観音崎の歩道橋」の上から、昔の彼の車が通らないかと探してしまう、といった「あるある!」と思える場面があります。観音崎という響きも、子供だった私にはとても素敵に感じました。
第4位.松任谷由実「埠頭を渡る風」
まず、普通の生活の中で『埠頭』という単語など出てこないので、とても斬新で都会的な感じを受けました。ここで言う『埠頭』は、私の住む地方都市の寂れたそれではなく、東京や横浜など大都市のものであり、そこを主人公は車で飛ばしている、という憧れのシチュエーションです。運転してくれているのは、「ただの友達」から恋人?になった男性のようです。今の間柄は微妙で、よくはわかりませんが、車を飛ばすように疾走感あふれる曲でうさを吹っ飛ばす感じが気に入っています。ユーミンは、この「疾走感で吹き飛ばす」シリーズと呼べるような曲が多いような気がします。
第3位.松任谷由実「DESTINY」
コンサートでは必ず歌われる定番のナンバーで、会場が一体となって踊れる曲です。イントロが流れてきた瞬間に「キター!」と言ってしまいそうなワクワク感があります。こんなやりきれないシチュエーションがあったら困る!と思ってしまうような皮肉な結末の内容ですが、そんなドラマのような恋愛はしたことがない自分にとっては、憧れのような世界でした。ホコリだらけの車、とか緑のクーペ、とか恋愛にはまず車ありきの時代だったので、現在では少し感覚が違うかも知れませんが。悲しい出来事を吹き飛ばすようなノリの良いテンポで歌きるところが大好きです。
第2位.松任谷由実「あの日にかえりたい」
ドラマの主題歌になった曲ですが、その時代の頃は子供だったのでリアルタイムでは見ていません。音域が広く、ドラマチックなメロディーで、初めて聴いた時はとてもインパクトがありました。歌詞の中で「あなたに会いたい」という言葉がありますが、ユーミンはインタビューの中で「本当に『あなたに会いたい』と念じて歌っているので(聴いている人に)通じるはず」と話していました。その通り、一途な思いが伝わってくるようです。この曲はカラオケで歌おうと思っても、とても難しく、歌いこなすには相当の力が必要です。この曲に限らず、ユーミンの楽曲はどれも大変ですが。
第1位.松任谷由実「卒業写真」
卒業シーズンが近づいてくると、とても切ない気持ちとともにこの歌が聴きたくなります。ユーミンによると、この歌に出てくる「あなた」とは学校の先生(女性)とのことですが、それを知らない時はてっきり好きだった人のことだと思っていました。「青春そのもの」と言い切る歌詞がとても力強く伝わってきます。私にはそのような対象の人はいませんでしたが、あたかも自分が体験しているようで、何か泣きたくなってくるような懐かしさがある曲です。この曲は数え切れないほどのアーティストにカバーされていますが、ハイファイセットのバージョンも透明感があって気に入っています。