フィオナ・アップルおすすめの曲ランキングTOP10

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フィオナ・アップルおすすめの曲ランキングTOP10

フィオナ・アップルはニューヨーク出身の女性シンガーソングライターです。演奏する楽器は主にピアノで、ライブではよくピアノで弾き語りをする姿が見られます。その独創的な個性と鋭い感性が魅力となって輝いています。そんなフィオナ・アップルのおすすめの曲をランキング形式でご紹介。ぜひ聴いてみてください。

 

 

第10位.フィオナ・アップル「Slow Like Honey」

重いベースの音が地を這うように低く鳴ります。それに合わせるように、しっとりとずっしりと進んでいくスローテンポの曲です。曲のキーワードとなっているハチミツの質感を音楽で表したような感じでしょうか。フィオナ・アップルの歌もねっとりと伸びるように歌われています。歌の内容も相手に対する想いがしつこいぐらい重いです。

しかし、この重厚な曲を聴いていると、心が鎮まり気分が落ち着きます。フィオナ・アップルが18歳のときに発表したファーストアルバム『タイダル』に収録されているのですが、このムードのある曲を10代の少女が作ったというギャップに驚かされます。

 

 

第9位.フィオナ・アップル「Pale September」

不穏な感じで始まり、それがしばらく続きますが、サビでいきなり解放されるメロディーの美しさが感動的です。そのフィオナ・アップルの少しざらついた声は秋の乾いた空気を思わせます。

夏の暑さが消えていき、だんだんと寒くなっていく秋という季節の切なさが、情景を描くような演奏によって表現されていて、頭の中にイメージが湧いてきます。ブルージーな哀愁を含む歌声も素晴らしいです。そして特徴的なのは、エンディングの美しさです。余韻を残しながら終わりに向かっていくピアノの音が、いつまでも胸の中に残るように響いています。

 

 

第8位.フィオナ・アップル「Fast As You Can」

早口で歌われるこの曲には言葉がいっぱい詰まっています。ちなみに、この曲が収録されているフィオナ・アップルのセカンドアルバムにはびっくりするほど長い題名がついており、発表当時はギネス世界記録となっていました。

邦題では『真実』と名づけられています。この曲で歌われているのは、自分の中に住む野獣との戦いと、そのせいで傷つけることになる相手に対して、できるだけ早く自分から離れてほしいと言う内容です。しかしながら、もしもこの出会いが運命であるなら結ばれたいという願望もあり、矛盾する考えの中で混乱して疲れきる様子が描かれています。そしてそれが曲調によく表されています。60年代風のサイケデリック・ロックのサウンドが、混乱を演出するのにぴったりです。

 

 

第7位.フィオナ・アップル「Why Try To Change Me Now」

ピアノだけの伴奏から始まって、その後から加わっていく楽器もシンプルにとどめられています。その控えめな演奏をバックに、ピアノの音と歌声の柔らかさが引き立っています。

そしてゆったりとした時間が流れて心地よく、しばらく身をまかせて聴いていたい曲です。この曲はフランク・シナトラが1952年に録音したものが原曲となっており、他のアーティストによってもカバーされています。フィオナ・アップルのバージョンでもジャズの特色が強く出たものとなりました。普通の人達からは少しずれた人物についての歌詞は、フィオナ・アップルにお似合いです。

 

 

第6位.フィオナ・アップル「I Know」

このジャジーなスローバラードでは、他の女性の影が見える相手へのほろ苦い気持ちが歌われています。しかしその歌声と演奏には温かみがあります。そこには苦しみよりも、少し諦めの混じった、相手に尽くす愛情のほうが大きく表れています。

そしてすべてを知りながら耐え忍ぶ心は、劇場のステージに立つ彼を舞台裏で待つことに例えられています。慎ましく穏やかに始まり、クライマックスを迎えて静かに終わっていく曲の構成も、ひとつの劇のようにドラマチックであり、つらい恋愛関係を劇場の作品のように表現することで、報われない愛が芸術にまで高められています。むしろ芸術にまで高めたからこそ、不幸な雰囲気がない穏やかな曲となったのかもしれません。

 

 

第5位.フィオナ・アップル「Never Is a Promise」

曲の出だしから、ピアノのメロディーに鳥肌が立ってしまう感動的な曲です。10代の少女の瑞々しい感性が優れたピアノの演奏とともに光輝いています。他者との分かり合えない期待外れの関係に挫折感を味わいながらも、自分の心の芯にある誇りを守ろうとする美しい曲です。

そしてその心の中に広がる光景が、希望を込めた言葉で語られています。孤独な内面について掘り下げ、悲しみを歌いあげているのですが、そこにはひとつの物語の完結があり、成長や出発、旅たちの気配が感じとれます。まさにデビューアルバムにふさわしい曲と言えるでしょう。この曲のライブバージョンが、次のアルバム『真実』に収められていますが、そちらもおすすめです。

 

 

第4位.フィオナ・アップル「Red Red Red」

タイトルにつけられているように、モノクロの世界から、すべての見えるものが「赤」になるという、比喩的な歌詞の表現が詩的で、文学的な美しさを持っています。歌の一番から三番までが、それぞれ例え話で始まり、どこかおとぎ話のような雰囲気です。

そして古き良き時代のアメリカ音楽を思い起こすようなクラシカルでノスタルジックな伴奏が、その歌詞の雰囲気にマッチして、懐かしみを感じる空間を作り出しています。外の世界に対するとまどいや疑問と、それと折り合いがつかない自意識との間でもがく心情が、フィオナ・アップルの感性豊かな言葉で語られています。

 

 

第3位.フィオナ・アップル「Paper Bag」

スイングするリズムが楽しい曲です。フィオナ・アップルの曲の中では珍しくダンサブルなアレンジがほどこされています。そのためか本人もPVの中で少年達と踊っていて、ほほえましく、楽しいです。

歌詞の内容は、思い通りにいかない恋愛が、「舞い降りてきたのが鳥だと思ったら紙袋だった。」という誰もが体験したことのあるエピソードに例えられていて、なるほどと思わされます。また「男性だと思っていたらただの小さな男の子だった。」という言葉でも歌われていて、PVの中で紳士の格好をした少年達が登場しているのも、そこから来ているのでしょう。

 

 

第2位.フィオナ・アップル「Hot Knife」

ドラムをメインの楽器にして熱い気持ちをシャウトしています。自分がバターだとするなら、相手は熱したナイフだと言い、そして相手がバターだとすれば、自分も熱したナイフだと歌われています。また、心の中がパラダイスの鳥が踊る映画のスクリーンになってしまうという、夢見心地の関係に陶酔しているようです。

この曲の中の相手は、とにかく自分を刺激する存在です。コーラスには姉のモード・マッガートが参加しています。その繰り返されるコーラスは呪文や祈りのように聞こえ、人間の原始的で純粋な部分が引き出されているような、単純で素朴でありながら芸術性も併せ持った傑作です。

 

 

第1位.フィオナ・アップル「Every Single Night」

独創性のあるフィオナ・アップルワールドが確立されています。この曲が一曲目に収録されているアルバム『アイドラー・ホイール』は、前作から七年の年月を経て発表されました。

それまではアルバムのジャケットは写真が使われていましたが、『アイドラー・ホイール』のジャケットはフィオナ・アップル自ら描いた、ピカソのキュビスムの絵のような女性の顔が堂々と印刷されています。このことからも伺えるように、その長い期間の間に何があったのかはわかりませんが、アーティストとしての成熟や、ひとりの人間としての自己の確立があったのではないでしょうか。