BUMP OF CHICKENおすすめの曲ランキングTOP10
現在、大ヒットソングを世の中に多く輩出している、RADWIMPSや米津玄師に多大なる影響を与えているのが、BUMP OF CHICKENであるのはあまりにも有名です。
このBUMP OF CHCIKEN の曲の特徴は、「物語」を歌うことであります。この「物語」は人生そのものであり、聞いたときの年齢、聞いたときの状況、聞いた時の心境などにより、曲から生まれてくる情景が大きく変わってきます。一般的な解釈を超えた、聞いた人と曲を届けてくれる「BUMP OF CHICKEN」との間に生まれる世界が、彼らの楽曲の持つ最大の力といえるでしょう。僕は、1999年からのファンですが、彼らの曲は、古い曲ですら進化し続けている、そんな気がします。
第10位.BUMP OF CHICKEN「ray」
BUMP OF CHICKEN「ray」がおすすめの理由
BUMP OF CHICKENの進化を感じた一曲です。それまでのサウンドとの違いは、サウンドのつながり方が、機械的な部分にあります。彼らもこの時期、音楽を数学的なものとして捉え、きれいな音楽を作り始めてきたように思えます。この楽曲は、初音ミクとのコラボでも有名であり、ネットサウンドとバンドサウンドの融合体としても注目をされていました。今では「天体観測」や「花の名」と並ぶ、彼らの代表曲の一つになっています。アップテンポからはじまり、最後は静かなサウンドで終わる、彼らの特徴も残しつつ、新しい音楽を世の中に提示した代表ソングです。
第9位.BUMP OF CHICKEN「車輪の唄」
BUMP OF CHICKEN「車輪の唄」がおすすめの理由
2004年12月にリリースされたこの楽曲は、アルバム「ユグドラシル」に収録されているナンバーです。PVの最初には「ユグドラシル」のアルバム表紙にも使われたボーカル藤原基央氏が描いた絵が登場します。その後、男女2人の物語が展開されていきます。曲も別れと再会を暗示している歌詞で展開していきますが、私はこれを単なる別れや再会と捉えるよりも、人と人との運命を表していると考えるほうがよいと思われます。この曲にはだれかに出会いたい、けれども、出会いないかもしれないし、出会っている人とはいつか別れなくてはならないかもしれない、という避けがたい運命が我々には存在しているのだ。ということを教えてもらっている気がします。誰もがみな、背負っているものがあることを再認識させてくれる一曲です。
第8位.BUMP OF CHICKEN「K」
BUMP OF CHICKEN「K」がおすすめの理由
ネットで大きな話題を呼んだ一曲を第8位に選出いたしました。これは誰から愛されない「黒猫」と最愛の人を街に残して夢を追っている「青年」との友情譚を描いた作品です。歌詞と曲調だけで、「白」と「黒」の二色を表している、モノクロ作品と呼んでもよいでしょう。これは、歌詞にも登場する「黒猫」と「雪」のコントラストによって成立していることだと思います。そのため、最愛の友人である「絵描きの青年」にはどことなく色があるように思えますが、それでも色覚を人間ほど持たない動物の視点で考えれば、なんとも物悲しい「モノクロ映画」の様相を呈しているのではないでしょうか。この視点の不思議さ、モノクロを作り上げた偉大さを感じることができる一曲です。
第7位.BUMP OF CHICKEN「キャッチボール」
BUMP OF CHICKEN「キャッチボール」がおすすめの理由
コミュニケーションはキャッチボールだ、といろんな人が言っています。けれども、この楽曲ほどその意味がわかる曲はありません。「カーブ」を取れない、けど必死に取る。「取れないと思った」と思われる。それでも、取る。これは、自分がもしかしたら理解してもらえないかもしれないことでも、投げてみれば拾ってくれる人がいる、だから安心して投げていいんだよ、というコミュニケーションを恐れてしまい、自分から発信することに臆病になってしまった人たちへのブレイブソングなのかと思います。みんながストレートを投げれるわけではないし、人それぞれ使う言葉も違うんだから安心しなさいと励まされる一曲です。誰かとうまく意思疎通ができないなと感じたときに聞いてほしい一曲です。
第6位.BUMP OF CHICKEN「睡眠時間」
BUMP OF CHICKEN「睡眠時間」がおすすめの理由
これは、ボーカル藤原基央氏が祖父のお葬式に披露したレクイエムソングです。安心して眠りについてくださいという愛した人に最後にささげたラブソングと受け取れます。この曲は単純に眠れないときとかに聞くといいと思いますし、独りぼっちなのが寂しいと感じたときにでも聞くといいかもしれません。「おやすみ つづきは 夢の中で」という歌詞が、亡くなった祖父に向けた藤原氏最大の「贈る言葉」である気がします。「死」と「眠り」はギリシア神話や日常の感覚からもわかる通り「近い存在」であることは自明の理ですが、これを「おやすみ」の「続き」と表現したことで、「生」と「死」の「連続性」を感じさせることができていると思います。亡くなった方への最大の賛歌に最大の拍手を。
第5位.BUMP OF CHICKEN「天体観測」
BUMP OF CHICKEN「天体観測」がおすすめの理由
言わずもがなのBUMP OF CHICKEN最大のヒットナンバー。約束した時間、友人との思い出とが交差する。代表ソングであるがゆえに、歌詞の解釈は一本化されつつあるように思いますが、このソングは車輪の唄などの曲と同じように「運命」を歌っている曲のように感じます。「約束」というのは決して運命ではなく、人為的なものにすぎない。けれども「別れ」は「運命」的な要素を持っている。この人為が太刀打ちできない「運命」に抗いたいのが人間なのだということをこの曲から大いに学べると思います。単純な友情譚としても十分聞く価値がある一曲です。
第4位.BUMP OF CHICKEN「リボン」
BUMP OF CHICKEN「リボン」がおすすめの理由
2017年2月10日にYouTubeで生配信された伝説の一曲。彼らが彼ら4人になっての20周年目にあたるこの日に、それまで歴史を紡いできたものはこれだ!と言わんばかりの一曲を世に発表しました。「リボン」と聞くとほどけるイメージが強いですが、この楽曲では「結んできた」と表現される、つまり友情やらなんやらをすべて紡いできたし、四人で一つ一つ結んできた。その結果大きなリボンといまなっている。これからもこの4人で曲を生み続け、音楽をやっていくんだという固い決心のもと作られた一曲であると感じます。いいこともわるいことも全部「ほどかず」「むすぶ」ことでこそ今の彼ら、そしてこれからの彼らがあるのだと感じることができる一曲です。
第3位.BUMP OF CHICKEN「ガラスのブルース」
BUMP OF CHICKEN「ガラスのブルース」がおすすめの理由
彼らのデビューソング。16歳にしてこの曲を書き上げた藤原氏の才能に感服。そして猫の死がこれほどまでに切なく寂しく感じることはなかなかできない。「生まれてきたことに意味があるのさ」と堂々と歌いきっている歌詞にも注目。16歳がこんな真っすぐな曲がかけるのが不思議。斜に構えず、堂々と前を見据えている。しかし、その前には必ず「死」が待っていることも絶対に忘れさせない。BUMP OF CHICKENといえば「生」と「死」の物語を歌わせたときにはその天才性が際立つのだが、この一曲は間違いなく、それからのBUMP OF CHICKENを決定づけた一曲である。猫だろうが人間だろうが、いずれは死ぬ。けれども生まれてきたことに意味があるのだから、それを信じて、歌い続けようよ、といつもこの曲には救われている。
第2位.BUMP OF CHICKEN「ホリデイ」
BUMP OF CHICKEN「ホリデイ」がおすすめの理由
世間的には間違いなく知られていないこの一曲を僕は2位に置いた。この曲は、仕事に行くのが億劫で億劫で仕方がない「主人公」が布団から這い出ようとするだけの一曲である。これ聞いた当時中学1年生だった僕は、燃え尽き症候群で何もかもやる気を失っていた。何にも手がつかず、勉強も部活も中途半端になってしまっていた。このままではまずいけれども、頑張れる気力がない。そんなときにこの曲を聴いて「がんばらなくていいんだ、まずは時計を止めるところからはじめていこう 無理はすんな」と応援された気がした。その瞬間、涙が止まらなかった。「頑張らなくたっていい 僕がいなくたって世界は回る けれども僕だってその世界で生きてるんだから 少しずつでいいから前を向こう」という気持ちになっていた。この曲に出会ったおかげで、そのときの挫折を乗り越えることができ、今でも、心が砕けそうなときにはこの曲を聴いている。世界で最も緩やかで優しい応援ソングなのだ。
第1位.BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ」
BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ」がおすすめの理由
映画『億男』の主題歌としてリリースされた一曲。これまで数学的なカッコイイサウンドを作り続けてきた藤原氏が「ほぼ空っぽ」の状態で作り上げたこの一曲に、BUMP OF CHICKENの遍歴を感じることができ、そして何より、BUMP OF CHICKENの「物語」が再度蘇ってきた曲である。この曲の最大の特徴はバスを待っている主人公がバスに乗るかわからないところで終わるという、「完結しない物語」があげられる。この完結しなさ具合が絶妙に心を刺激してくれるのである。バスに乗るまでにあった葛藤や思い出を抱えてバスに乗り込み知らない土地へ向かうのか、それともやはり乗り込まず、誰かのところへ走っていくのかは、わからない。けれどもわかっているのはこの主人公は何かしらに「思いを馳せ」ていて、それを「後悔」しているのか、さっぱり「割り切っている」のかは聞いているリスナーにゆだねているということだ。僕は聞く日によってその受け取るニュアンスが違う。それだけ広がりがあり、受けとめてくれる曲や世界観は、BUMP OF CHICKENにしか作ることができない。この曲はそれを最もよく体現している楽曲なのである。