きのこ帝国人気曲おすすめランキングTOP10
初期のシューゲイザーも最近の少しポップなノリもどっちもきのこ帝国らしくて好きです。歌詞もすこし明るくなったりしてるけど、根底はダークだったりするところとかすごくいいなって思います。切り裂くようなギターの音がめちゃくちゃかっこいいです。そんなきのこ帝国のおすすめの曲をランキング形式でご紹介します。ぜひ聴いてみてください。
第10位.きのこ帝国「夜鷹」
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を彷彿とさせる文学的な歌詞が印象的です。「銀河鉄道の夜」の中でもとくに、「よだかの星」が浮かんできます。シリウス、ベガ、アルタイル、ティコの星、って呟くように繰り返すところは幻想的で吸い込まれていきそうです。
インディーズの頃のファーストアルバム「eureka」の一曲目に収録されています。一曲目からこの曲が流れると一気にきのこ帝国の世界に引きずり込まれます。シューゲイザーに強く影響を受けたサウンドがとてもかっこいいです。リバーブの効いた音の世界にからだを委ねてしまいます。
第9位.きのこ帝国「春と修羅」
あいつをどうやって殺してやろうか、2009年春、どしゃぶりの夜にそんなことばかり考えてた、って冒頭から衝撃的すぎるフレーズをぶち込んで始まります。なんかぜんぶめんどくせえ、とか言っちゃう佐藤さんが大好きです。歌詞が重過ぎて犯罪すれすれだけど、頭の中でこういう風に考えたことある人はきっとたくさんいるはず。
自分もこの曲の通りのことを経験してきたので佐藤千亜妃は代弁者じゃないかと思ったほどです。共感の嵐です。この歌詞とメロディに切り裂くようなギターがとてもよく似合います。タイトルの「春と修羅」も宮沢賢治へのリスペクトが感じられてとても好きです。
第8位.きのこ帝国「東京」
アルバム「フェイクワールドワンダーランド」の一曲目に収録された曲です。出だしを聴いただけで一気に世界に引きずり込まれます。ドラムとベースとギターの迫力がはんぱないです。耳に残るメロディと情景が思い浮かぶ歌詞の描き方がとても秀逸です。MVでの臼田あさ美さんの演技もとても素晴らしくてほんとうにこの曲のモデルみたいに思えます。
ただひたすらソファーに寝そべっているだけなんですが、クーラーをつけずに扇風機の風にあたっているところとか、だるそうなところとか、何かを考えている仕草とか、全体的にアンニュイな感じが漂っていて最高です。東京っていうタイトルの曲はたくさんのアーティストが出しているけど、その中でもトップ3に入るぐらいとてもいい曲です。
第7位.きのこ帝国「クロノスタシス」
きのこ帝国の新しい一面が垣間見れた曲だなあって思います。ヒップホップの要素を取り入れていて、大人っぽくてすごくかっこいい曲です。1サビのBPMは83らしいです。のんびりと歩ける速さで、すごく心地いいテンポです。曲の雰囲気が夜っぽいので夜道をのんびり楽しい気持ちで歩いている情景が思い浮かびます。
歩く速度が違うからBPM83に合わせて、君と夜の散歩、それ以上もう何も言わないで、ってフレーズにとてもキュンキュンしてしまいます。夜の闇を、この空間を二人じめしたい気持ちが感じ取れます。何気ない夜道の散歩だけど案外それがロマンチックで大切な空間なんだよって気づかせてくれる曲です。
第6位.きのこ帝国「telepathy/overdrive」
インディーズ期2枚目のアルバム「フェイクワールドワンダーランド」の最後に収録された曲です。アップテンポでノリがいい曲です。自転車で爆走しながら聴きたい一曲です。多分ゲームオーバー、気付かないふり、逃げてしまおうか、手は繋いだままで、っていうフレーズにこの曲の物語が浮かんでくるし、ゲームオーバーなのにすごく未来が見えていて、しかもそんなに暗い未来じゃなさそうなところがいいなあって思います。
馬鹿な僕たちだから、手は繋いだままだったり、終わりは先のばしにしちゃったり。でも全然なげやりじゃなくて、この人たちはこの世界をすごく楽しんでるなあって思えます。
第5位.きのこ帝国「猫とアレルギー」
究極のラブソングだと思います。お別れしてしまった人へのラブソングだと思います。失恋の歌とかじゃなくて素敵な恋のうたに思えます。話せなくていい、会えなくてもいい、ただこの歌を聴いてほしいだけ、っていうフレーズに込められた気持ちの深さがとても伝わってきます。
時間が巻き戻せたならば、なんてね、もう思い飽きてる、ってフレーズとか、もうめちゃくちゃ共感できます。なんてね、っていう冗談めいた言葉に諦めとか恥ずかしさとか少しの期待とか色々な深い意味があるように取れて、この一言がすごく好きです。ラストのギターのリフが切なさや寂しさをすごく表現していて泣けます。ひとりぼっちで並木道を歩いているのを想像してしまいます。
第4位.きのこ帝国「疾走」
ギターのフレーズがとにかく切なくてかっこいいです。あーちゃんと佐藤さんの弾くギターの音って女っぽくなくてめちゃくちゃかっこいいんです。闇とか空虚感とかそういうのをズバッと切り裂いてくれます。この曲のギターの音も脳天ぶち抜かれます。
全体的に佐藤さんの歌い方が切なくて優しいのに、サビのラストの、考えたりした、ってフレーズのとこだけすごくかっこよくて、ここだけ闇を感じてしまいます。いつのまにかそっとそっと忘れてゆくのかもしれないなぁ、なんてふと考えたりした、っていうフレーズの切なさが堪りません。春になったら必ず聴きたくなる曲です。疾走感が最高です。
第3位.きのこ帝国「金木犀の夜」
アルバム「タイム・ラプス」に収録された楽曲です。軽快な感じのAメロとガラッと雰囲気が変わるサビのコントラストが魅力的です。金木犀が咲く9月の終わりの夜に金木犀の香りを辿りながら聴きたい一曲です。佐藤さん本人は金木犀の花も香りも知らないそうで、それなのによくこんな情景の曲を作れたなあって感心します。
この曲もやっぱり過去のふたりのことを歌っていて、そういう曲を作るのが上手いなあっていつも思います。いつか他の誰かを好きになったとしてもわすれないし、忘れないでね、って言葉がすごくストレートで可愛いなあって思います。だいたい夜はちょっと感情的になって、っていう言葉の使い方もとても好きです。
第2位.きのこ帝国「夢見る頃を過ぎても」
最新のアルバム「タイム・ラプス」に収録されたリード曲です。メロディも歌詞もすべてがとにかく切ない。すごくセンチメンタルになります。明け方の街のすべてが停止した風景に、あの頃の自分を重ねて誰かのことを思い出してみたり。
だけど時間は止められなくて、みんな大人になっていくんだ、夢から覚めちゃうんだ、っていう無力感が丁寧に綴られています。佐藤さんの歌い方もとても丁寧で一言一言に思いが込められているように感じれます。たまに昔に思いを馳せるときにこの曲を聴くとめちゃくちゃ心に響きます。この曲を聴くと変わらないものなんてなかったなあって実感させられます。
第1位.きのこ帝国「夜が明けたら」
きのこ帝国初期にデモ音源として売られていたCDの中に収録されていた初期の名曲です。のちにインディーズ期に発売されたミニアルバム「渦になる」にも収録されました。イントロのリバーブの効いたアルペジオの音がとても心地よく、そのまま流れるようにしっとりとした曲調で曲が進んでいきます。
メロディとは裏腹に歌詞はダークでそういうギャップを作れるきのこ帝国はやっぱり天才です。復讐から始まって終わりはいったい何だろう、償いきれない過去だって決して君を許さないよ、っていうサビのフレーズに諭された気分になりながらいつも聴いています。ラストにテンポが早くなって一気に駆け抜けていくところでは今まで暗かった夜がやっと明けていく感じがすごく伝わってきます。