泉谷しげるおすすめの曲ランキングTOP10
今や俳優として、そして何か「うるさいオジサン」としての印象が強いキャラクターの泉谷しげるですが、その歌の世界たるや、本当に名曲揃いです。70年代初頭のフォークソングだけでなく、村上ポンタさん、吉田健さん、ギターにルースターズの下山淳と、”チャボ”仲井戸麗市を加えたバンド「LOSER」のカッコ良さといったら!粗暴なイメージにとらわれて聞かないのは勿体無い、ロックスピリットあふるるアーティストです。
第10位.泉谷しげる「寒い国から来た手紙」
拓郎や陽水、小室さんと一緒に、泉谷さんがフォーライフレコードを設立してから、最初にリリースしたシングルです。フォーライフ前に出したアルバム「黄金狂時代」が、バンドを従えたロックナンバーが連なるアルバムだったので「その続き」を期待していたファンも多かったのですが、意表をついて、じっくりと歌い上げるフォーク調のナンバーですが、泉谷さんらしい比喩と皮肉の混じった名曲になっています。「幻よ、早く消えてくれよ。乾いた笑顔は、僕には似合わない」という歌詞は、当時の若者たちの心にズシンと染み入ったのではないでしょうか。
第9位.泉谷しげる「ハレルヤ」
90年代に入りロックシンガーとして「復活」を遂げた泉谷さんの、「これでどうだ!」と言わんばかりの、LOSERの力強い演奏と共に送り出されるパワフルなナンバーです。ハレルヤ!と繰り返し歌い上げるその歌詞は、宗教色を吹っ飛ばして「この世界、この人生、色々あるけれども。それでも全ての人に、ハレルヤ!(幸あれ!)」と叫んでいるかのような、切なくも心を打つ言葉になっています。「未だ幼年期に、終わりはなく」という哲学風味溢れる歌詞もまた味わい深く、これはある意味、泉谷さんなりの「人生賛歌」なのかもしれません。
第8位.泉谷しげる「土曜の夜君と帰る」
ダイナマイト・ポップと銘打って発表されたアルバム「光石の巨人」の、最後を飾るバラードです。泉谷さん自身も言ってますが、正直言って歌詞の意味はよくわかりません。「ブルーダストの夜から、光るベッドが届く。今夜、君と光って」って、一体なんのことやらと。なんのことやらと思いつつ、でもじんわりと沁みてくるから不思議な歌詞です。真夜中に、星空からベッドが光りながら降りてくるような、奇妙なイメージが湧いてくるんですね、アシッド感覚と言ってもいいかもしれませんが。と、なんだかんだと言いながらも、ほんとにいい曲だと思います!
第7位.泉谷しげる「電光石火に銀の靴」
泉谷さんが「ダイナマイトポップ」と銘打って発売したアルバム「光石の巨人」の収録曲で、ダイナマイトポップの代表曲と言っていいでしょう。今もってダイナマイトポップとは一体なんなのかわからないのですが、恐らくその時代にリアルタイムで体感した人にしかわからないかもしれません。それでも、勢いにまかせたようなギターのリフが響き渡るイントロから始まる、この曲の問答無用の疾走感は今もなお衰えません。バイクに乗って仲間と猛スピードで走り行くタイトルバックがカッコいい、疾走する映画「狂い咲きサンダーロード」のオ-プニングに使われたのも納得の1曲です。
第6位.泉谷しげる「眠れない夜」
これはCMに使われたこともあり、泉谷さんの曲の中ではメジャーな歌ではないでしょうか。泉谷さんがフォークからロック志向に移り始めた頃の代表曲と言っていいでしょう。有名な曲で、ついつい聞き流してしまいがちですが、「珍しい見世物はすぐに飽きて、自分だけが珍しくなっていく」なんていう歌詞は、ちょっとなかなか書けないよなあと思うくらい、優れた歌詞だと思います。田舎から都会に出てきて感じた戸惑い、寂しさ、そしてやるせなさや理不尽なことなど、そういった点は泉谷さんの歌の中でも何度か扱われているテーマですが、この曲でもそれは色濃く出ていると感じます。
第5位.泉谷しげる「野生のバラッド」
それまでの数年、少し「テクノ寄り」になっていてファンを惑わせていた泉谷さんが、LOSERを従えて、堂々とロックシンガーとして復活!した時期の、その狼煙をあげるかのような勢いを感じる曲です。最初にシングルカットされた時には、アナーキーがバックバンドを務めました。ライブでは、サビの「おお、なんてお前に伝えよう」という部分を何度も何度もリピートするのが印象に残ってます。繰り返し過ぎて一緒に歌う観客の方が先に疲れちゃうような、でもステージの上のオッサンには負けねえぞ!と踏ん張り直したりする、そんな思い出もある曲です。
第4位.泉谷しげる「春夏秋冬」
泉谷さんの代表曲ですね。泉谷さんといったら、まずこの曲を思い浮かべる方が多いでしょう。70年代初頭のフォーク時代の頃からずっと歌い続けている名曲です。LOSERとのバンドバージョンがまたいいんですけどね、U2の影響を受けたような、下山さんのディレイかけまくりなギターリフがめちゃくちゃカッコ良くて。泉谷さん自身も、「あのギターを聞いて鳥肌立ったね!」って言ってましたしね!やっぱりサビの「今日で全てが終わるさ。今日で全てが変わる・・・」の部分の歌詞は、何度でも繰り返し噛み締めたくなる「名歌詞」だと思います。
第3位.泉谷しげる「国旗はためく下に」
泉谷さんの、初期の隠れた名曲。発表当時より、むしろ80年代になってライブビデオなどに収録されたことにより、「最注目」された曲かもしれません。私も初期のアレンジより、やはり吉田健さんの「ズズズズズズ」という3連譜が続くベースラインで始まるバンドバージョンの方が印象強いです。ライブでは、ボウィの布袋さんがギターを弾いているバージョンも見ることが出来ます。この時は布袋さんも他のメンバーも(泉谷さんを除いて)みな背が高かったので、「ザ・タワーズ」というバックバンド名でした。「国旗はためく下に集まれ、融通のきかぬ自由に乾杯」というサビは、21世紀の現在になって、また胸に響く歌詞ですね。
第2位.泉谷しげる「春のからっ風」
これは知る人ぞ知る名曲で、アーティスト人気も高く、アナーキーや宇崎竜童(ダウンタウンファイティングブギウギバンド)もカバーしています。70年代のフォーク時代のアルバムの収録曲ですが、今聞いても胸に刺さる、時代を超えて聞く人の心を捉える歌ですね。「誰が呼ぶ声に、答えるものか」というサビはもちろん、「何でもやります、贅沢は言いません。頭を下げ、詫びを入れ」という歌詞が、ズシンと心にのしかかります。誰もがきっと一度は経験したであろう、苦い思い出。それを、「今日の生き恥をかく」と歌いきった泉谷さん、やっぱり天才です。
第1位.泉谷しげる「翼なき野郎ども」
やはり、泉谷といえばこれ!と言いたくなる、永遠の名曲と言うべき名曲です。「翼なき野郎ども」というタイトルからしてもう心打ち震えますし、そのズシリとした重厚な響きを持つロックなリズムに、やっぱり泉谷は最高だぜ!と思ってしまいます。映画「狂い咲きサンダーロード」で、エンディングテーマとして使われたのが印象的でした。やはりLOSERと演奏した「セルフカバーズ」のバージョンが最高でしょうか。「ああ、いらつくぜ!」と絶叫しながら、「とびっきりの女に、会いに行こう」と居直る清々しさ。ほんとに、日本のロック史上に残る名曲だと思います。